前回の投稿の続きになります。前回は遊戯王マスターデュエルが抱える問題を投稿しました。
今回は、その問題点を改善するために何が必要か、について投稿します。
前回の投稿では問題点を複数、列挙しましたがその中でも「カジュアルユーザへの配慮不足」の解決に焦点を当てます。
その他の問題点である、カードプールの更新の遅さやbotはシステム的な問題であるため、リソースを運営が投入すれば解決できます。
しかし、カジュアルユーザへのアプローチはアイデア的な側面であるため考察する価値があります。
アプローチ:環境の低速化とガチ勢との分離
カジュアルユーザの不満点は、大きく分けて「先行制圧による一方的なじゃんけんゲーム」と「誰が見ても同じようなカード構成でないと勝てない(ファンデッキのような自分の好きなカードでは戦えない)」ことです。
これらは一部のパワーカードによって引き起こされる高速な環境が原因となっています。
したがって不満を解消するためにはカードプールの制限による環境の低速化が必要です。
管理人の結論は、「上記の方針はガチ勢とは永遠に相容れないため、対戦ブースを物理的に分離すること」で解決できると考えています。
実際、ランク戦に疲れたカジュアル勢は、自分で部屋を建てることで気心が知れた仲間と隔離環境で遊んでいます。
この隔離環境はお互いのコミュニケーションにより、例えば「ファンデッキ限定」のような独自のルールが敷かれています。
どのように環境の低速化と分離を実現するか
採用頻度の高いカードの統計を取り、それらのカード投入を制限する
一部のパワーカードの制限は、シンプルに採用頻度が高いカードを調査し明らかにすることで実現できます。
各ユーザが持つデッキデータは運営が把握しているため統計を取ることも簡単なはずです。
これは現実世界の紙ではなく、電子的なゲームならではの利点です。
採用頻度が高いカードは必然的に環境を支配するパワーカードである可能性が高く、先行制圧に貢献しています。
したがってランク戦などを定期的に観測し、カジュアルユーザ向けの環境では利用できなくすることで、先行制圧を抑止します。
投入必須のカードを指定したイベント戦
先ほど説明した採用頻度が高いパワーカードを制限する事とは逆に、デッキに必須のカードを初めから組み込むアプローチです。
これは今後のイベント戦でも利用できるアイデアとなります。
デッキの特定割合(たとえば半分ほど)を予め指定したカードで埋め、そのほかのカードを好きに選択できるようにします。
現在の環境トップとされるデッキのほとんどはカテゴリのカード同士の連携が必須であるため、デッキの半分をあらかじめ指定された場合ほとんど機能しなくなるはずです。
また例えばカードプールを初期のカードのみ(第xx期まで)として、一枚だけ最新カードを投入可能にするなどのルールにより、ファンデッキ程度の強さ同士で戦うことが可能となります。
カジュアルマッチング用の場を新規に実装する
先ほどまでは、カードパワーを制限して、環境の低速化を実現する方向でアプローチしました。
しかし本質的なアプローチは、この「カジュアル勢とガチ勢の分離」となります。
現在のランク戦は「ガチ勢が先行制圧により手段を選ばず勝利を目指す場」となっており、このこと自体は全く健全です。
しかしながら、カジュアル勢は勝利を目指すことよりも「勝っても負けてもどちらでもよいから楽しく遊ぶ」ことを目指しています。
この観点において、現ランク戦はカジュアル勢にとって全く楽しみがない場所となっています。
従って相容れない者同士が同時に楽しむためには現ランク戦とは全く別の対戦環境が必要となります。
このアプローチは、現在も細々とおこなわれている個人間の対戦ルームをより拡張することで達成できます。
必要な要素は、対戦における合意を得るための連絡手段、カードプールに干渉するための細かな独自ルールの設定の実装となります。
対戦における合意を得るための連絡手段とは、例えばそのルームにおけるコミュニケーションチャットになります。
いいかえると、このルームでは「これこれこういうルールで遊びたい人を募集しているので、納得している人だけはいってね」ということを伝える手段になります。
また各ルームの募集を広くゲーム内で周知できればよりよいものとなります。
カードプールに干渉するための細かな独自ルールの設定とは、イベント戦などで課される独自ルールをルームの管理者が独自に設定可能とすることです。
対戦における合意を得ていれば不要となりますが、ルールを無視して場を荒らす人は必ず出現するものなので、そのような不届きものを予めはじく手段となります。
またルールを理解できていたつもりでも悪意なく間違えてカードを投入している参加者もいると思うので、それらを防ぐことにも役立ちます。
最後に番外編として、ルーム管理者による参加者のブロックや排除権限もあればよいと思いました。
これはゲームとして排他性が増加するため、あまりよい実装とは言えないですが、コミュニティの健全性を保つためにはやむを得ないこともあります。
あとがき
今回の投稿は、大部分が去ってしまったカジュアルユーザを呼び戻すための改善案を提案しました。
対戦ゲームの都合上、勝利を目指すのは当然ですが、中には「勝ち負けでなくゲームを楽しみたい」カジュアルユーザも存在します。
そのため、ガチユーザとカジュアルユーザを分けて遊びの場を提供することでカジュアルユーザを呼び戻せる、と考えました。
管理人の考察なので、実現されるかはわかりませんが、より良い改善がなされることを願っています。