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組織に習慣を根付かせることは難しい

最近働いている中で、組織における習慣を根付かせることについて、その重要性と難しさを実感しました。
そう感じた理由をケースとともに備忘録にします。

組織における習慣化

組織における習慣化とは、その組織における文化を作るものだと管理人は考えています。
習慣とは、意識せずに当然のようにその行動をとれるものです。
例えば、朝に出社した際に挨拶することも習慣ですし、特定の依頼をする場合は2人以上に電話を行うなども習慣です。
これらは社内ルールとして規定されていることもあれば、暗黙の了解として組織メンバの共通認識になっている場合もあります。
習慣と社内ルールとの違いは、明文化されて規定されているかに加え強制力があるかが大きな違いです。

なぜ重要か

組織における習慣が重要な理由として、組織メンバの暗黙的かつ自発的な行動を左右する点にあります。
言い換えると組織メンバの意識に習慣のベースとなる考えが根付いていることで、メンバはそれに即した行動をとります。
意識に即して基本的な行動が起こるということは、その習慣が組織の文化となっていると言えます。
良い習慣化が組織メンバに根付けば、その組織は大変よいものとなります。

習慣化の難しさ

習慣化が難しい理由はひとえにそれが意識の問題であり根付くまでに時間を要するためです。
例えば、個人が筋トレを習慣化しようとして三日坊主の失敗に終わったという話はよく聞くことです。
個人が何らかのモチベーションをもって始めたものでも簡単には習慣化できないので、それを組織に適用することはそれ以上の難易度となります。
であれば「何らかのルールを設ければよいのではないか」という意見もありますが、多くの組織はすでに必要以上のルールにあふれています。
そしてそれらの細かなルールがすべて守られることは、残念ながらまずありません。
ですので、より意識的な基盤として重要なものはルールとして覚えるまでもない習慣として根付かせるべきなのです。

実例

最後の習慣化が重要だと感じた実例を記載します。
ある開発において、管理人はチームを率いて検証を実施していました。
検証も無事終わりに近づいてきたとき、相互のクロスチェックをしていたチームから検証資材が合わないとの連絡を受けました。
調査すると検証システムの構築時にある資材のバージョンを古いもので投入していたことがわかりました。
この古いバージョンの資材はそもそも納品物ですらないものであり、不正な環境で検証していた点は大いに問題になりました。
場合によってはこれまでの検証のすべてがやり直しになりかねないからです。
(幸いこの問題はいろいろと手を尽くし古いバージョンでも機能確認が取れたため事なきを得ました)
本来、資材は環境に投入する際にダブルチェック以上を実施し厳密に確認がなされるルールとなっていましたが、今回に限って投入者が忙しさのあまり独断で一人で作業し結果的に誤ってしまったとのことでした。
ルール化されていないのに起きてしまったこの問題に対し、管理人は作業の責任者と対策を話し合うことになりました。
作業の責任者の提案は「より厳格なルールを設ける」とのことでした。
これに対して管理人は、根本的な解決になっていないと反対しました。
なぜそう感じたか、すでに厳格なルールがあるにもかかわらずそれを破っているわけですから、ルールの追加が解決策になると思えなかったためです。この問題の根本は、作業者の意識に「この作業を万が一間違った場合に影響が大きいためダブルチェックが必須」という意識がなかったことです。
したがって、管理人は作業者の責任者と再び話し合い、意識づけのやり直し(今回のテーマである習慣化)を行う方法を考えてほしいと伝えました。
現在もこの方法について定期的に話し合いがもたれています。
それほど、簡単に解決できない問題なのです。

あとがき

習慣化とは非常に難しい問題だと思いました。その分きっちりと形成できれば、組織運営にとって非常に強力な武器となりうるものです。
確たる答えは今でも出ていませんが、結局のところしつこくメンバ言い続けることが最も近道なのかな、最近は感じてます。
進展がありましたらまた書いてみたいと思います。

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