学生の頃に読書感想文を課題としてこなした方は多いと思います。当時は読書感想文を各意味はよくわかりませんでした。
国の見解
少し話は脱線しますが、文科省の学習指導要領に読書感想文を課すことは規定されていないそうです。管理人も少し読んだだけなので確実とは言えませんが、少なくとも文部科学省よりこのような文書<https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/toushin/04020301/008.htm>が出ています。
「読書感想文を書くこと自体は子供たちの国語力を向上させる有効な方策の一つであるが,一律に,読書感想文を強制するなど子供たちに過度の負担を感じさせてしまうような指導では,子供たちが物語の中に入り込めず,読書を楽しむことができない」
これは平成16年の文化審議会答申の一部ですが、読書感想文をどう読んでもお勧めしているように思えません。目的はあくまで国語力の向上なので、読書感想文を無理に採用する必要はないわけです。盲目的に読書感想文を夏休みの宿題に課しているなら、先生は反省すべきです。読書感想文を書くことにより何を求めているのか、それをまず明確にし、次いで指導される側へ正確に伝えなければいけません。そうでなければ何をもって良しあしを評価しているのか理解できなくなります。
学習指導要領に、読書感想文の狙いとすべき効果が記載されていると思った管理人してしては、上記の調査結果は想定外でした。何のためにやっているのか。小中学生が多く取り組む読書感想文は、宿題に解き方としてのフレームワークはあると思います(確認できてなくて申し訳ないです)。ただ何を目的として実施しているかはそれほど語られていないでしょう。
何を目的に取り組むか
ともあれ、これからも読書感想文が課されることはそうそう変わらないはずです。だとすれば取り組む児童や学生の皆さんやサポートする保護者の方は何らかの目的を持って取り組んだほうが有意義です。管理人なりに目的を2つ考えました。
- 要約力(読解力)の強化
- 把握した内容に対する意見の導出(主体的に思考する姿勢を育む)
だと思います。付け加えて言うなら、上記を読書感想文として表現するので、表現や伝達する力も鍛えることができます。これらの目的を明確にしたうえで提出された読書感想文に接すれば評価がし易いと思います。ただし、対象とする本が指定されていない限り、本はばらばらになるはずなので、要約が正しいかの評価は非常に難しいでしょう。なぜなら正しく評価しようとすれば、評価者はそれぞれの読書感想文のもとになっている本をすべて読む必要があるためです。これは困難です。したがって、要約が正しいかは、その本の内容が推定可能か程度にとどめざるを得なくなります。この点は妥協も必要です。そのうえで、読書感想文の書き手が何を考え、どういった意見を持ったか、その主張に納得できるだけの論拠を盛り込んでいるかを評価すればひとまずは十分だと思います。保護者の方が読書感想文をサポートするときは、その本をまず一読して内容を把握することは必須だと思います。これは多くの読書感想文を確認しなければいけない教師では難しいことですので、保護者ならではの観点で指導できる良い機会だと思います。
あとがき
読書感想文の目的とするところを考察してみました。学習指導要領には記載されていない点が衝撃でしたが、指導題材としては価値があると考えています。割とインプットとアウトプットの良い訓練になると思いました。これから課題として取り組む方は何を目的にそれを作るのかを意識して書くとよいでしょう。本投稿は少し歯切れが悪くなった部分が多くなりました。より断定的に記述できるよう調査や思考実験を積み重ねていきたいと思います。